Z80マイコンについて

 今やPICマイコンやH8マイコンに押されつつありますが、Z80マイコンにも捨てがたい良さがありま
す。
 PICとの比較の中でも書きましたが、長所はなんと言ってもメモリーがアドレス空間になっているこで
す。0HからFFFFH(十六進数)までの64kバイト分がROM(Read Onry Memory:変わることのない
プログラムを書き込むメモリー)とRAM(Random Access Memory:データなどを読み書き自由のメモ
リー)に振り分けられています。仮にROMとRAMにそれぞれ32kバイト分ずつ分けたとして、プログ
ラムを書き込むROMの領域も、データを出し入れするRAMの領域も、よほどのプログラムでなけれ
ば使い切るということはありません。ちなみに私の場合、30、000個の乱数を書き込むことでROMを
目いっぱい使ったことがあります。
 それでは、短所は何かというと、I/O(入出力端子)が少ないということでしょう。8ビットのポートが
2個の計16ビット分ですが、モータをいくつもつないだり、入力用のスイッチやセンサ、表示用のLED
を設けたいとなると、すぐに不足してしまいます。その場合は、Z80用のLSI、8255を用いると、更に
8ビット×3の計24ビット分のI/Oを増やすことができますが、当然のことながら、そのためのスペース
と煩雑な配線が必要になります。

 Z80マイコンはカードマイコン(ひとつの基板の上に組まれる)ですが、「秋月電子」で「AKI−80」と
いうキットが売られています。また、AKI−80用の「AKI−ROMライター」もキットで売られています。
ただし、この両者を手に入れても、残念ながら初心者には簡単にというわけにはいかないでしょう。
 いずれこのホームページでAKI−80の開発法を紹介しようと思います。

 AKI−80の開発法についてまとめるつもりでいましたが、残念ながら「秋月電子」の上記商品がい
よいよ姿を消しつつあるようです。せっかく勉強して開発法を習得しても後の祭となる恐れがあります。
やはり、これからのマイコンは、特にロボット作りを目指すとなると、「H8」マイコンが主流と言えるで
しょう。
 というようなわけで、紹介するといっておきながら、控えることにしました。もし、期待されている方が
いらしたとしたら、まことに申しわけありませんでした。
 なお、どうしても「Z80」について勉強したいという方は、次の本を読まれると良いと思います。非常
に分かりやすく書かれており、マイコンの原点から勉強できるとても良い本です。
  メカトロ基礎講座3 プログラム学習によるマイコン :松下電器工科短期大学校発行 2600円

 なお、まったくの余談ですが、私自身は「AKI−80」をいくつか買い置き、必要に応じて活用していこ
うと考えています。


                                   
                                         

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