PICマイコンとZ80マイコンとの比較

 Z80マイコンについてあまりご存知でない方のために、簡単に説明を加えながら進めていきます。

 現在のパソコンに搭載されたCPUはペンティアムが主流ですが、Z80というのはCPU(かつては
MPUとも言われた)の元祖のような存在で、進化を遂げる一方でZ80のまま、いろいろな機器に組
み込まれたり、ホビイストに愛用されたりしてきました。

1)Z80はCPUですから、メモリーや入出力回路( I/O)を外付けして初めてコンピュータになり得ま
 す(今では8ビット×2のI/Oを内蔵した小さなパッケージになった)。したがって、必然的に基板上
 に組まれるわけで、そのことから、ワンボードマイコンとか、カードマイコンなどといった呼ばれ方を
 します。一方PICマイコンは、メモリーも I/Oもひとつのパッケージに組み込まれたワンチップマイ
 コンです。したがって、組み込むためのスペースと費用に差がでます。

2)Z80マイコンの I/Oはほんのわずかしか電流を流せません。入力用の時には良いのですが、出
 力用の時にはLEDを点灯するのにもデジタルIC(普通はインバータ)が必要になります。PICは20
 〜25mA流せるので、LED(普通は10mA程度で点灯させる)は直接つなげます。

3)Z80のメモリー(0H〜FFFFH 64kバイト分)は、アドレスを指定して、データを書き込んだり読み
 出したりすることができます。ですから、迷路を脱出するねずみや、情報を蓄積して学習するロボッ
 トなど、いわゆる電子頭脳的な使い方が可能になります。PICは外部からの情報を取り込んで記憶
 するというのは苦手です。

 私は、目的に応じてPICとZ80を使い分けています。最近注目されだした『H8』マイコンはZ80マイ
コンをさらに進化させたものと考えて良いでしょう。Z80同様カードマイコンのスタイルです。


                                               

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