私がまだPICマイコンの存在すら知らない頃、何も分からないままに
秋月電子で購入したのが「AKI−PICプログラマー(Ver.3)」のキット
でした。
「PA.EXE」はそのキットに添付されたアセンブラで、落合さんという方が
開発されたものです。後から分かったのですが、PIC製造元のマイクロ
チップ社が提供する本来のアセンブラ(MPASM)を、非常に使いやすく
改良したものです。ただし、PICのもっとも代表的な(機能的にはもっとも
シンプルであるが、初心者にとっては一番使いやすい)「16F84(A)」に
のみ対応するものです。
勿論、このアセンブラを活用する解説書などは無く、付録のように付いて
いた数個のサンプルプログラムを頼りにプログラムの作成に取り組みました。
そうして随分の苦労の末に、何とか思い描いたプログラムを書けるように
なり、本としてまとめたのがBookT(およびBookU)です。読まれる方が、
私が費やした多大な時間をできるだけ短時間でクリアし、その分時間を
もっと進んだ分野で有効に使えればという思いからです。

そのような訳で、本書で用いられているアセンブラ「PA.EXE」は数ある
PICマイコンのうちでも「16F84(A)」にしか対応しないという、極めて特殊
であり一般性に欠けますが、PICマイコンへの取っ掛かりをつかむこと、
そして、プログラミングの基本を習得するということに関しては、充分意味を
有すると考えます。

私自身も後に「MPASM」へ進みましたが、「PA.EXE」で培ったプログラミング
の技法は、大いに役立ちましたし、またプログラムそのものを機械的に
書き換えることも可能でした。


                                   

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